積水ハウスで理想の家を建てる!2025年最新版・特徴と知っておくべきこと

積水ハウスで理想の家を建てる!2025年最新版・特徴と知っておくべきこと

夢のマイホーム。いざ「注文住宅を建てよう!」と思っても、数あるハウスメーカーの中から自分にぴったりの一社を見つけるのは至難の業ですよね。

インターネットで調べても情報が多すぎて違いがよく分からなかったり、住宅展示場に行ったり資料請求をすると、いつの間にか担当者がついてしまって身動きが取れなくなるなんて話もよく聞きます。

そこで今回は、積水ハウスの「いい面」も「悪い面」も包み隠さずすべてお話しします。

この記事を読めば、積水ハウスがどんな会社なのか、検討する上でどんな点に注意すべきか、そして誰も知らないようなとっておきの情報まで、すべてが分かります。

これから家づくりをされる方は、ぜひ最後までご覧ください。

積水ハウスは住宅業界のトップランナー

積水ハウスは住宅業界のトップランナー

image:注文住宅の教科書:ゼロから始める理想の住まい

積水ハウスは、日本の住宅業界を長年牽引してきたトップメーカーです。

その実力は、数字と実績が物語っています。

SNSでの圧倒的な存在感 InstagramやYouTubeで注文住宅の情報を検索すると、積水ハウスが建てた家の写真や動画が驚くほどたくさん見つかります。

これは、積水ハウスで家を建てた多くの方が、そのデザインや住み心地に満足し、友人や知人に教えたいという感覚でSNSに投稿している証拠と言えるでしょう。

SNSでの投稿数の多さは、そのまま顧客満足度の高さに直結していると言っても過言ではありません。

揺るぎない実績と信頼 積水ハウスは1960年の設立以来、2023年1月31日時点で累計建築戸数258万9千戸を達成しています。

これは、数あるハウスメーカーの中でも圧倒的な数字です。

また、従業員数は14,192名に上り、そのうち3,090名が一級建築士という、技術力の高さも特筆すべき点です。

これらの実績と基盤が、積水ハウスを住宅業界のトップメーカーとして確立させているのです。

積水ハウスのデザインと設計力

積水ハウスのデザインと設計力

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積水ハウスが多くの人に選ばれる大きな理由の一つに、その卓越したデザインと設計力があります。

しかし、そこには知っておくべきポイントも存在します。

チーフアーキテクト制度

チーフアーキテクト制度

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積水ハウスには、社内の一級建築士の中でも特に優秀な上位8%の設計士にのみ与えられる「チーフアーキテクト」という称号があります。

彼らは通常の設計士よりも高いレベルの設計力を持ち合わせているため、チーフアーキテクトが担当になれば、より質の高い提案を受けられる可能性が高まります。

しかも、担当になっても料金が変わることはありません。

しかし、チーフアーキテクトだからといって誰もが「当たり」というわけではありません。

人によって得意なデザインテイストが異なるため、施主の好みが「足し算の建築」か「引き算の建築」か、あるいはその「ミックス」かによって、提案される内容が大きく変わることがあります。

また、チーフアーキテクトの中でも経験年数や熟練度に差があるため、経験豊富なチーフアーキテクトを担当にしてもらうのが理想ですが、そう簡単にはいかないのが実情です。

西日本の設計力が高い理由:西高東低

西日本の設計力が高い理由:西高東低

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積水ハウスの設計力は全体的に高い傾向にありますが、実は西日本の方が設計力が高いという特徴があります。

YouTubeやInstagramに掲載されている積水ハウスの建築実例の99.9999%が西日本の物件だという事実からも、その傾向は明らかです。

西日本の積水ハウスの物件は、もはやハウスメーカーの量産型建物というよりも、建築家の手掛けたようなハイクオリティなデザインが特徴です。

これは「西高東低」、つまり「西に成功事例が多い」という状況を意味します。

これほど素晴らしい設計力が西日本に集中しているのはもったいないと感じるかもしれませんが、これが積水ハウスの現状なのです。

ライフニットデザイン(2023年6月〜)

ライフニットデザイン(2023年6月〜)

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西日本に集中していた高い設計力を全国に広げるため、積水ハウスは2023年6月から新たなデザイン概念「ライフニットデザイン」をスタートさせました。

これは、空間の色、素材、形から受ける印象を、積水ハウスが導き出した6つの感性のフィールドに基づいて提案していくものです。

ライフニットデザインの狙いは、「一回性のある建築」の提案です。

現代社会では、家自体がありふれたものになりつつあり、どこにでもあるような間取りや内装では魅力を感じにくくなっています。

そこで、積水ハウスは自然素材系の部材を多く活用し、その場その時にしか感じられないような愛着の湧く住まいづくりを目指しています。

例えば、床には無垢床や挽き板、草染めフローリング、ハンドスクレイプなどが提案され、壁には珪藻土や漆喰、和紙壁紙などが推奨されます。

天井には木質系の素材、照明には真鍮が使われたものなど、こだわりの素材を取り入れることで、唯一無二の空間を創り出すことを目的としています。

ただし、ライフニットデザインはまだ新しい概念のため、現場の営業担当者やエリアによって解釈が異なる場合があります。

そのため、営業担当者からライフニットデザインについて詳しく説明を受け、ご自身のイメージと合致するかを確認することが大切です。

クリアビューデザイン

クリアビューデザイン

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積水ハウスの得意とするデザインの一つに「クリアビューデザイン」があります。

これは、軒と天井をつなげたり、内壁と外壁の素材を統一したりすることで、室内と屋外を一体的に感じさせるデザインです。

これにより、空間がより広く感じられ、室内にいながらも外にいるような開放感を得ることができます。

一見するとどのハウスメーカーでもできそうなデザインですが、実は積水ハウスにしかまともにできない部分が多いのです。

その理由は、積水ハウスがほぼ全ての部材をOEM発注している点にあります。

例えば、積水ハウスはAGCというガラスメーカーに依頼して、クリアビューデザインに合うように特別な窓を製造してもらっています。

他社のハウスメーカーの場合、リクシルやYKK APなどの既製品の窓を使用することが多いため、軒と天井を完全にフラットにつなげられなかったり、内壁と外壁の素材を統一してつなげるのが難しかったりする場合があります。

たとえ表面上は似たようなデザインができたとしても、細かい部分の収まりや素材感が異なり、積水ハウスのクリアビューデザインとは一線を画すことが多いです。

これは、積水ハウスがデザインを仕組み化できている証拠であり、SNS映えする家が多い理由の一つでもあります。

積水ハウスの構造と性能

積水ハウスの構造と性能

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積水ハウスは、デザイン性だけでなく、構造や性能においても高い水準を誇ります。

特に、鉄骨造と木造の両方を手掛けている点が大きな強みです。

SAJサッシ(スーパーアルミ樹脂サッシ)

SAJサッシ(スーパーアルミ樹脂サッシ)

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積水ハウスの窓に使われている「SAJサッシ」は、ただのアルミ樹脂複合サッシではありません。

「スーパーアルミ樹脂サッシ」の略で、非常に高性能な窓を指します。

窓枠の種類は大きく分けてアルミサッシ、アルミ樹脂複合サッシ、樹脂サッシ、木製サッシの4種類があり、一般的に樹脂サッシや木製サッシの方が高性能とされています。

しかし、SAJサッシは一般的なアルミ樹脂複合サッシと一線を画します。

その大きな特徴は、中空層が16mm確保されている点です。

窓の断熱性能を表す熱貫流率のグラフを見ると、空気層が20mmを超えると断熱性能はほとんど変わらないことがわかります。

そして、断熱性能と採光のバランスを考慮した結果、最適なのが16mmなのです。

さらに、SAJサッシのスペーサー(窓と窓の間の部材)は樹脂製であり、未だにアルミ製を使っているハウスメーカーもあることを考えると、その性能の高さがうかがえます。

「樹脂サッシの方が性能が高い」という意見ももちろんありますが、樹脂サッシは窓枠が太くなり、大きな開口部を取りにくいというデメリットもあります。

積水ハウスは、デザイン性を重視した4Dサッシと呼ばれるSAJサッシと、寝室などには樹脂サッシを用いるなど、意匠性と機能性を両立させる提案が可能です。

鉄骨造と木造の選択肢

鉄骨造と木造の選択肢

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積水ハウスは、鉄骨造木造の両方で住宅を提供しています。これにより、特定の構造に偏った「ポジショントーク」ではなく、顧客にとって最適な構造を公平な立場から提案できる環境が整っています。

例えば、断熱性能や気密性能が不利と言われる鉄骨住宅を無理に勧めることもなければ、品質のばらつきやシロアリ被害が懸念される木造住宅を無理に押し進める必要もありません。

あくまで顧客のライフスタイルや敷地条件に合わせて、最適な選択肢を提示できるのが積水ハウスの強みです。

ただし、以前は木造専任と鉄骨専任の営業担当者が分かれていた経緯があるため、中には古い営業スタイルを引きずり、どちらか一方を盲目的に推す担当者もいるようです。

担当者を選ぶ際には、両方の構造についてきちんと説明できる人を選びましょう。

鉄骨造の2種類の工法

鉄骨造の2種類の工法

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積水ハウスの鉄骨造には、主に以下の2つの工法があります。

  1. ダイナミックフレームシステム(軽量鉄骨) 平屋や2階建てに採用される工法で、軽量鉄骨に制震ダンパーの「シーカス」が搭載されています。シーカスは地震の振動エネルギーを熱エネルギーに変えて吸収し、地震時の建物の変形を1/2以下に抑える効果があります。

    • 設計の自由度が高い: 1階の天井高は最大2,700mm、最大スパンは7,000mmまで可能です。オーバーハング、ダウンリビング、フルフラットバルコニーなど、多様なデザインに対応できます。
    • 外壁: ダインコンクリートとセラーオの2種類が用意されています。ダインコンクリートは厚さ55mmの深彫りデザインが特徴で、ガラス繊維が含まれているため強度も非常に高いです。さらに、業界初のフッ素光触媒塗装を採用しており、メンテナンスフリーに近い30年の耐久性を誇ります。鉄骨住宅は目地が多くなりがちですが、積水ハウスでは高耐久目地を採用し、30年間交換不要なものが使用されています。
  1. フレキシブルベータシステム(重量鉄骨ラーメン構造) 3階建てや4階建てに採用される工法で、高さ60mの高層ビルと同じ耐震基準で設計されており、地震に非常に強い構造です。

    • 通し柱を必要としない: 通常、3階建て以上では通し柱が必要になりますが、フレキシブルベータシステムでは不要なため、構造のコーナーにも窓が設置できるなど、より自由なプランニングが可能です。
    • マルチTMD: 交通振動や地震の揺れから建物を守る専用の制震装置「マルチTMD」も設置できます。都市部に住む方で安全性、快適性、デザイン性すべてを高いレベルで実現したい方にはぴったりの商品です。
    • コスト: ただし、積水ハウスの3・4階建てはハウスメーカーの中でも群を抜いて高額になる傾向があります。
    • 外壁: シェルテックとSC25の2種類から選べます。シェルテックは耐火建築、SC25は準耐火建築に適しており、戸建てにはSC25が使われることが多いです。

木造の革新技術(シャーウッドハイブリッド構造)

木造の革新技術(シャーウッドハイブリッド構造)

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積水ハウスの木造住宅「シャーウッドハイブリッド構造」は、在来軸組工法、枠組壁工法、そして日本の伝統工法の要素を組み合わせた独自の工法です。

  1. ラミナ: 積水ハウスで使用される構造用の木材は、北欧材なら80〜120年、国産材なら50年以上の歳月をかけて育った年輪の詰まった木材をベースにしています。これらを「ラミナ」と呼ばれる薄い板に加工し、ミルフィーユのように重ねて一本の柱や梁を形成します。個体差のある木材の特性を活かし、強度が出るように計算して加工することで、すべての木材が均等な強度を発揮できるようにしているのです。
  2. 基礎ダイレクトジョイント: シャーウッドの最大の特徴とも言えるのが、**伝統工法をベースとした「基礎ダイレクトジョイント」です。昔の日本建築(法隆寺など)に見られるように、基礎と柱が直接つながることで、地震の力をダイレクトに地面に逃がすことができます。 また、積水ハウスの基礎は、底の部分と立ち上がりの部分を1回で打設する「基礎1回打設」**で作られています。多くのハウスメーカーが2回に分けて打設する中で、これは積水ハウスの大きな強みです。継ぎ目がないことで、コンクリートの強度が高まり、ひび割れのリスクを低減します。
  3. メタルジョイント接合システム: 木材は鉄骨のように溶接で一体化できないため、接合部分の強度が弱くなることが木造住宅の最大の弱点でした。しかし、積水ハウスの「メタルジョイント接合システム」は、修正材を独自の構造用金物で緊結することで、接合部の強度を高めています。これにより、積水ハウスの木造は非常に高い設計自由度を持ち、鉄骨住宅と同様にどんな間取りでも実現可能です。
  4. 陶器外壁ベルバーン: シャーウッドの外壁には、**陶器でできた「ベルバーン」**を選択できます。ベルバーンはメンテナンスフリーで、非常に強度が高く、耐火性能にも優れています。ただし、ベルバーン自体はメンテナンスフリーですが、目地はメンテナンスが必要になるため注意が必要です。その他、シームレスドライウォール(吹き付け)やサイディングも選択可能で、特におすすめなのは厚めの塗装が特徴のシームレスドライウォールです。
  5. 窓枠のスリムさ: 積水ハウスの木造住宅の窓は、鉄骨住宅に比べて窓枠がシャープなのが特徴です。外の景色を室内により美しく取り込むことができるため、デザイン性を重視する方には見逃せないポイントです。

積水ハウスの住空間とコスト

積水ハウスの住空間とコスト

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積水ハウスの設計思想と品質は、日々の暮らしに大きな影響を与えます。

しかし、それには相応のコストがかかることも理解しておく必要があります。

メーターモジュールの採用

メーターモジュールの採用

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日本の住宅の寸法基準には、主に「尺モジュール」(910mm×910mmのマスを積み上げる)と「メーターモジュール」(1000mm×1000mmのマスを積み上げる)があります。

積水ハウスは、メーターモジュールをメインで採用している数少ないハウスメーカーの一つです(他にはトヨタホーム、ダイワハウスの木造など)。

メーターモジュールで建てられた家は、廊下、洗面、トイレ、お風呂、階段といった「限られた空間」が広くなるという特徴があります。

例えば、トイレの広さは尺モジュールとメーターモジュールで幅が9cm、奥行きが18cmも変わってきます。

これはまるで、飛行機のエコノミークラスとビジネスクラスほどの違いと言えるでしょう。

特に、階段の勾配が緩やかになる点は大きなメリットです。

車椅子での移動が必要な方、将来的なバリアフリーを考えている方、階段の勾配を緩やかにしたい方には、メーターモジュールが非常に適しています。

一方で、尺モジュールには「金額が安くなる」「コンパクトな家を設計しやすい」というメリットがあります。

メーター規格の建材は出荷量が少ないため、割高になる傾向があるためです。

また、メーターモジュールでコンパクトな家を建てる場合は、LDKが狭くならないよう、ワンルームのような柔軟な設計が求められるため、設計士の高いレベルが重要になります。

ご自身のライフスタイルや予算に合わせて、どちらのモジュールが適しているかを検討しましょう。

業界トップクラスの価格帯

業界トップクラスの価格帯

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積水ハウスは、間違いなく業界で一番高額なハウスメーカーです。

他のハウスメーカーも「うちは高い」と言いますが、積水ハウスは頭一つ抜けています。

具体的には、積水ハウスの建物だけの坪単価は、現在140万円から150万円が目安となります。

もちろん、最低限の仕様にすれば坪110万円くらいに抑えることも可能ですが、それでは積水ハウスで建てる意味が薄れてしまいます。

YouTubeやInstagramで見るようなおしゃれな積水ハウスの物件のほとんどは、この坪単価140万円〜150万円くらいの建物です。

例えば、土地代2,000万円で35坪の家を建てる場合、諸費用込みで総額は8,400万円から8,750万円ほどになります。

インフレや円安の影響もあり、このくらいの金額がかかるのが当たり前の時代になってきてしまいました。

SNSで素敵な積水ハウスの物件を見かけたら、だいたいそのくらいの金額が投入されている、と思っていただければイメージしやすいでしょう。

積水ハウスのまとめ

積水ハウスのまとめ

image:注文住宅の教科書:ゼロから始める理想の住まい

積水ハウスは、業界トップの地位にふさわしい高い技術力、デザイン力、そして顧客満足度を追求する姿勢を持っています。

チーフアーキテクト制度、ライフニットデザイン、クリアビューデザインといった独自の取り組みは、住まいに価値と個性を与えます。

また、鉄骨造と木造のどちらも手掛けることで、お客様一人ひとりに最適な住まいを提案できる柔軟性も持ち合わせています。

高性能なSAJサッシや、伝統工法の要素を取り入れたシャーウッドハイブリッド構造など、細部にわたるこだわりも積水ハウスならではの強みです。

しかし、その品質とサービスは、業界最高峰の価格帯を伴います。

メーターモジュールによるゆとりのある空間設計も魅力ですが、予算とのバランスをしっかり考慮する必要があります。

積水ハウスで理想の家づくりを実現するためには、これらの特徴を深く理解し、ご自身のライフスタイルや価値観と照らし合わせることが何よりも大切です。

ぜひこの記事を参考に、あなたの家づくりを次のステップへと進めてください。