2025年に家づくりを検討している皆さん、注文住宅の購入は本当に素人には優しくありません。
ものすごく勉強しないと、ちゃんとした家を建てるのは難しいんです。
「そんなことないだろ、どうせポジショントークでしょ?」と思われるかもしれませんが、なぜ「注文住宅は3回建てないと満足するものが建てられない」なんて言葉が存在するのでしょうか?
ハウスメーカーはプロが接客や設計をしてくれるはずなのに、世の中にこんな言葉がはびこっているのはおかしいですよね。
その原因は非常にシンプルです。
これまで多くの住宅営業マンや設計士が、「なんとなくうちのハウスメーカーは大手だし大丈夫」とか、「変にカスタマイズするのは無駄に金額が高くなるし標準的な仕様で十分」とか、何の根拠もなく、ただただ早く契約を取り、早く家を作り、早く引き渡すことばかり考えて家づくりをしてきたからです。
この記事では、そんな状況を打破し、皆さんが一生に一度の買い物を確実に成功させるために、2025年に家づくりをする人が気をつけるべきことを12のテーマでお話ししていきます。
この動画を最後まで見ていただければ、これから注文住宅を建てるにあたって最低限必要な知識は身につくはずです。
自分で自分の身を守るためにも、ぜひ最後までご一読ください。
- 1. 家づくりの勉強を避けるな!「有名どころならどこでも同じ」は間違い
- 2. ハウスメーカーと工務店は全くの別物!ハウスメーカーの起源を知れ
- 3. 断熱等級に騙されるな!本質はそこじゃない
- 4. 各論を比較するな!ハウスメーカーの比較は「断熱・気密・換気・空調・その他設備」
- 5. 断熱性能向上ブロックに気をつけろ!知識のない営業マンの強行手段
- 6. 営業担当者が建物の性能を決める!設計士の仕事は「正式設計図書」を作るだけ
- 7. ハウスメーカーに個人情報を渡した時点で自分の担当者が決まる!担当者選びは結婚と同じぐらい重要
- 8. 価格の上昇がえげつない!迷ってるんだったら早く買え
- 9. デザイン格差が広がっている!工業化住宅 vs 文化投錨型住宅
- 10. 肩書きがあればいいというわけではない!勉強してアウトプットを残しているかどうか
- 11. 企画住宅に夢を見すぎてはいけない!当たり外れが大きい
- 12. 35年返済の住宅ローンは古くなりつつある!積極的に40年ローンなどを使え
- まとめ
1. 家づくりの勉強を避けるな!「有名どころならどこでも同じ」は間違い

image:注文住宅の教科書:ゼロから始める理想の住まい
家づくりを始めようとしている方が陥りがちなのが、「有名どころならどこでも同じだろう」という考え方です。
確かに、誰もが一度は聞いたことのあるハウスメーカーなら、一定の安心感とクオリティがあると思いがちですよね。
しかし、ハウスメーカーによって建物の性能もデザイン性も全く異なります。「有名どころならどこでも同じ」なんてことは一切ありません。
なぜそう考えてしまうかといえば、シンプルにハウスメーカーの違いが分からず、勉強するのも面倒だからです。
数千万円もの大金を、得体の知れないものに払うのは怖くないですか?
日本の住宅は海外と比較してものすごく遅れており、海外経験者からは「日本の家は暑いし寒すぎる」という声も聞かれます。
家は一度買ってしまうと、車とは違って簡単には手放せません。
雰囲気でハウスメーカーを選んでしまうと、後々後悔することになりかねないんです。
注文住宅を購入するなら、しっかりと学んで「施主力」を上げるようにしてください。
2. ハウスメーカーと工務店は全くの別物!ハウスメーカーの起源を知れ

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「ハウスメーカーと工務店、どちらで家を建てた方がいいんだろう?」「そもそも何が違うんだろう?」こんな疑問を持つ方も多いでしょう。
なんとなくハウスメーカーの方が上で、工務店は下のイメージがあるかもしれませんが、これは物事の「本質」を見ていない考え方です。
結論からお伝えすると、ハウスメーカーが販売している家は機械による「工業化製品」で、工務店が販売している家は手作業による「嗜好芸品」です。
例えるなら、カップラーメンとお店のラーメンくらい全く違うものなんです。
ハウスメーカーは戦後、焼け野原になった日本に多くの家を供給するため、住宅の大量生産を目的に設立されました。
当時は木材が不足していたため、鉄骨を使うことが主流となり、ダイワハウスや積水ハウスなどが誕生しました。
その後、木造でも大量生産を目指す企業が現れ、住友林業や三井ホームなどが参入しました。
このように、ハウスメーカーは「平均点80点くらいの家を大量生産すること」が目的とされています。
そのため、断熱材の種類や厚み、設備などに制限があることが多いのです。
一方、工務店は職人による手作業で家づくりを行います。
断熱材の種類や厚み、太陽光パネル、空調設備、窓の種類などを自由に選べ、細かい収まりの調整なども可能です。
Instagramなどでおしゃれな家を見かけるのは、大体が工務店が建てた家です。
しかし、職人不足が深刻な日本では、全うな工務店の数が少なく、地域によるレベル差も大きいです。
腕のいい工務店は順番待ちが発生したり、ハウスメーカー以上に価格が高くなることもあります。
ハウスメーカーの家づくりが悪だと短絡的に考えるのではなく、ハウスメーカーの家づくりが平均80点だった場合、残りの20点をどうやって埋めるかを考えてハウスメーカーを選ぶのが、失敗しない選び方です。
3. 断熱等級に騙されるな!本質はそこじゃない

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日本の建物には「断熱等級」と呼ばれるものがあります。
これは住宅の省エネ性能を示す基準で、2022年10月に等級が4から7に引き上げられました。
そして2025年からは、断熱等級4未満の建物は建てられなくなります。
「これでめでたし」と思いきや、ハウスメーカーの住宅営業マンは今度は「数字のお遊び」に走り始めています。
ダネス投球の指標であるUa値は、建物の開口部比率(窓の面積)や建物自体の大きさによって数値が大きく変わります。
つまり、断熱材を厚くしなくても、窓の数や大きさを調整するだけでUa値を良く見せることができるんです。
しかし、これは本質ではありません。
本来、建物の断熱性能を上げる目的は、夏は涼しく冬は暖かく快適に過ごすことです。
断熱材をきちんと厚く強化し、その次に窓を強化する。そして最後に計算した結果、断熱等級6とか7になってしまう、というのが正しい順番です。
知識のない営業マンほど「断熱性能の上げすぎはオーバースペック」などと言ってきますが、これは真っ赤な嘘です。
日本の住宅は海外と比べて圧倒的に断熱性能が低く、夏は熱中症、冬はヒートショックのリスクが高いのが現状です。
さらに、今後光熱費は上がる前提で家づくりをしておく必要があります。
地球温暖化対策のため、化石燃料の使用を減らし、天然ガスや電気への需要が高まることで、価格上昇が予想されるからです。
高気密・高断熱な住宅は、光熱費削減だけでなく、健康面にも良い影響を与えるというデータもあります。
断熱等級やUa値といった数字だけでは、真に建物の断熱性能を図ることはできません。
数字のお遊びに騙されないよう、知識を身につけてください。
4. 各論を比較するな!ハウスメーカーの比較は「断熱・気密・換気・空調・その他設備」

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先ほど断熱について説明しましたが、断熱だけでは全く意味がありません。
その後に続く「気密」「換気」「空調」、そして「その他設備」という流れで家づくりを進めないと、きちんとした性能の家を作ることはできないからです。
これら5つの要素こそが、各ハウスメーカーを比較する際の重要なポイントになります。
例えるなら水筒です。水筒は中に液体を入れて蓋で密閉するからこそ、温度を保てますよね。
蓋が開けっぱなしでは、どんなに水筒の性能が良くても中の温度は保てません。
住宅もこれと同じで、建物の断熱性能だけ良くしても密閉(気密)しないと、本来の性能を発揮できないのです。
気密がしっかり取れていてこそ、初めて「換気」が機能します。
空気がまっすぐに流れることで、室内の空気が入れ替わり、独特の匂いの滞留を防げます。
その次に重要なのが「空調」です。断熱・気密が整った家は保温力が高いので、少ないエアコンで家全体を暖めたり涼しくしたりできます。
そして、これらの基本性能が整って初めて、蓄電池や太陽光、床暖房などの「その他設備」を入れるかを検討できるレベルになるのです。
「地震に強い」「メンテナンスがかからない」「デザイン性が優れている」といった個別の点だけで比較するのは全く意味がありません。
「断熱材の厚さはどのくらいか?」「気密施工は行っているか?」「換気は第三種か第一種か?」「全館空調は可能か?」など、この5つのステップでハウスメーカーを比較してください。
そうすることで、それぞれのハウスメーカーの苦手なポイントが見えてきますし、その部分をどう補えるかを考えることができます。
5. 断熱性能向上ブロックに気をつけろ!知識のない営業マンの強行手段

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この業界は、約20年近く建物の断熱性能向上に力を入れてきませんでした。
そのため、現場の営業マンのほとんどが、断熱や気密についてアレルギー反応を持つ人が多いです。
中には「断熱や気密は〇〇工務店の得意分野だから、自分たちは同じ土俵では戦わない」というポリシーを持つ人もいます。
そのため、「断熱仕様はほどほどで十分です」「断熱仕様をグレードアップするのはオーバースペックです」「断熱材を厚くすると間取りが狭くなる」など、何かしらの理由をつけて断熱性能の向上をブロックしてくるんです。
こういう営業トークは全て真っ赤な嘘なので、一切信じないでください。
断熱は建物の基本的な性能であり、ハウスメーカーの得意分野など関係ありません。
最近では、さらに強行手段として、断熱性能の強化に対して数百万円もの追加金額を提示してくるケースが増えています。
しかも、その金額には何の根拠もないことがほとんどです。
これは、営業マンが経験や知識がなく、顧客とのトラブルを避けるために「多めに金額を言っておこう」という心理が働くからです。
実際に、地域によって同じ断熱性能の強化でも見積もり金額に大きな差が出た事例もあります。
担当者によっては平気でそのようなことをしてきますので、十分注意してください。
6. 営業担当者が建物の性能を決める!設計士の仕事は「正式設計図書」を作るだけ

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「営業マンが何を言おうと、最終的に設計士が何とかしてくれるんじゃないか?」そう思う方も多いかもしれませんが、残念ながら建物の性能を決めるのは、実は住宅営業マンなんです。
設計士は関与しません。これはどのハウスメーカーでも同じです。
ハウスメーカーの設計士の基本的な業務は、役所に出す「正式設計図書」の作成がメインです。
そのため、ハウスメーカーの設計士は、本来、建物のデザインや性能をいじることはしません。
ハウスメーカーは住宅の大量生産を前提としたビジネスを行っているため、本来、設計士ではなく住宅営業マンが間取りを書き、その間取りをベースに契約まで進めます。
この時、住宅営業マンが建物の仕様を決め、見積もり取得の依頼を上げるんです。
建物の断熱仕様、気密施工の有無、床材、壁材、屋根材、キッチンなどの設備仕様、これら全て営業マンが方向性を決め、見積もりを取得し、契約時に提案する金額を決定します。
意外に思われるかもしれませんが、これが住宅業界における一般的な流れなんです。
最近は、最初の間取り作成から設計士が関わるケースも増えましたが、それでも建物の性能や設備仕様を決めるのは営業マンであることがほとんどです。
営業マンのリテラシーが低ければ、当然出てくるアウトプットの質も低くなるため、この点は要注意です。
7. ハウスメーカーに個人情報を渡した時点で自分の担当者が決まる!担当者選びは結婚と同じぐらい重要

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先ほど、営業担当者が誰なのかで家の性能が変わってしまうとお話ししましたが、実は営業担当者は家づくりにおいて全ての起点となっています。
具体的に、営業担当者には以下の3つの役割があります。
- 金額を調整する役割
- 建物の設備仕様を決める役割
- 設計担当者や工務担当者を巻き込む役割
社外の人とも信頼関係を築いている優秀な営業マンであれば、様々な根回しをして金額を下げてくれたり、今の時代にマッチした設備仕様を提案してくれたりします。
また、優秀な設計担当者や工務担当者を巻き込むことも可能です。
一方で、残念ながらいまいちな営業担当者の場合、これら全てが逆効果となり、最悪な結果につながることもあります。
では、どうやって自分の営業担当者が決まるのか?
それは、ハウスメーカーに個人情報を渡した時点で担当者が決まってしまうんです。
具体的には、展示場に来場しアンケートを記入する、ネットで展示場の来場予約をする、カタログなどの資料請求をする、といったアクションをした時点で担当者がつくことになります。
そのため、安易に行動しないことを強くお勧めします。
行動する際は慎重に行ってください。
8. 価格の上昇がえげつない!迷ってるんだったら早く買え

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私がYouTubeを始めて約5年が経ちますが、当時と比べて各ハウスメーカーの坪単価は50万円くらい上がっている印象です。
5年前なら35坪の家が建物本体価格2800万円くらいで買えたのが、今では4550万円かかるイメージです。
もちろん、すべてのハウスメーカーがこれほど上がっているわけではありませんが、それでもどのメーカーも価格がかなり高くなっています。
ちなみに、土地から購入する方は、建物本体価格とは別に「諸費用」として大体1500万円が加算されることになります。
土地の仲介手数料、外構費用、建物の組み立て費用、屋外給排水工事、ガスの引き込み費用、住宅ローンの保証料、地盤改良費用、火災保険料、カーテン・照明・エアコン・家具家電、設計業務報酬料、長期優良住宅性能表示制度申請費用、登記費用など、様々な費用がかかるんです。
東京などの一部地域では、諸費用だけで2500万円かかることもあります。
多くの人が、建物代金+土地代=総額と考えてしまいがちですが、これだと諸費用が抜け落ちてしまい、思ったよりも金額が高くなることがよくありますので、本当にご注意ください。
とにかく、建物の価格は年々上昇傾向にあり、土地代も徐々に上がっています。
このような状況を鑑みると、今後の住宅価格が下がることは考えられません。
注文住宅の購入を検討している方は、なるべく早めに行動することをお勧めします。
9. デザイン格差が広がっている!工業化住宅 vs 文化投錨型住宅

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日本の住宅は、大量生産を前提とした工業化住宅がほとんどなので、海外と比較して街並みが整っていない、かなりエキゾチックな街並みとなっていると感じる方もいるでしょう。
そして、大量生産前提の住宅は量産しやすい形が基本にあるため、どうしても建売住宅や賃貸のような画一的なデザインになりやすくなります。
もちろん、建売や賃貸のようなデザインが悪いわけではありません。
大量生産によるコストダウンのメリットもありますし、短期間で家を建てることも可能です。
しかし、いわゆるSNS映えするようなおしゃれな家づくりは難しくなります。
では、画一的なデザインではなく、人と被らず、SNS映えするようなおしゃれな住宅を作るにはどうしたらいいのでしょうか?
それは、「文化を投錨する」ということです。
例えば、本来の家づくりは家具から行う、という考え方があります。
新しく建てる家に合わせて一から家具を作ることで、ぴったりとマッチした空間を生み出せるからです。
また、最近流行のモダン系のテイストも、歴史をたどれば装飾のない建築を表す「モダニズム」から来ています。
つまり、装飾性の排除をどれだけできるかで、本物のモダンテイストの家が完成するのです。
このように、文化や歴史を知っていると、それだけで建物のデザインの方向性が変わり、より深みのある家づくりができます。
自分の担当者が、このような文化や歴史を知っているかどうかで、同じ数千万円の家でも提案されるものが全く変わってきます。
担当者によって全てが決まると言っても過言ではありませんから、文化投錨型の家を作りたいと考えている人は慎重に行動してみてください。
10. 肩書きがあればいいというわけではない!勉強してアウトプットを残しているかどうか

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先ほどの担当者の話に付随する内容ですが、「肩書きのある人が自分の担当になればいい」「肩書きのある人だったら安心できそう」そう思いがちですよね。
確かに、肩書きはその人にそれなりの評価があることを示しますが、あくまでその時に評価されたものだったり、年功序列でたまたま得られたものだったりする可能性もあります。
そのため、肩書きがあればいいというわけではありません。
では、何をもって自分の担当者の良し悪しを判断すればいいのでしょうか?それは以下の2つです。
- シンプルにその人の過去の仕事について聞いてみる
- 時代を的確に捉えているかどうか
何でもそうですが、過去にこそその人の仕事への思いやレベルが反映されていると私は考えています。
実際に私は、住宅営業マンと知り合った際に「過去に携わった家づくりで一番思い入れのあるものは何ですか?」という質問をよく聞くようにしています。
ちゃんと考えて家づくりをしている営業マンは濃密なエピソードを話してくれますが、何も考えずに家づくりをしている営業マンは、マニュアル通りの当たり障りのないエピソードを話してきたりします。
また、肩書きは「過去の栄光」とも言えます。
時代は常に進んでいますから、積極的に今の時代に合わせた提案をしているかどうかが非常に重要です。
特に住宅業界は非常に遅れている業界でもありますから、自分の担当者が時代を的確に捉えられているかという視点は、ものすごく重要になります。
これらの理由から、肩書きがあればいいわけではないということを、絶対に覚えておいてください。
11. 企画住宅に夢を見すぎてはいけない!当たり外れが大きい

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最近ネットでは、やたらと企画住宅を推している住宅系のインフルエンサーや、お施主さんの投稿を見かけます。
そもそも企画住宅とは、ある程度パターン化された間取りや仕様の中から選んで家づくりをすることで、コストを抑えることができる住宅のことです。
「企画住宅なら注文住宅と比較して何百万円も安くなって、憧れのあのハウスメーカーで家を建てられるんじゃないか?」そんなイメージを持っている方もいるかもしれませんが、ちょっと待ってください。
企画住宅は確かにコストを抑えられますが、ハウスメーカーによって建物の性能がかなり違います。
特に断熱性能や気密性能はピンキリで、夏場2階に行くとエアコンが全く効かなかったり、冬場はスリッパなしでは歩けないような家だったりすることもあるんです。
「有名ハウスメーカーがそんな家を売るわけないだろう」と思われるかもしれませんが、この業界はものすごく遅れています。
実際に私自身が数多くのハウスメーカーの企画住宅に足を運び体感した結果、このような実体験からお話ししていることです。
もちろん、全てのハウスメーカーの企画住宅がスペックが低いわけではなく、良い企画住宅を販売しているハウスメーカーもあります。
だからこそ、自分たち自身で性能を見極めることが非常に重要になってきます。
また、打ち合わせを進めていくうちに、企画住宅ならではの制限がきつく感じる場合もあります。
「思ったような大空間が作れない」「オプションで選べる幅に制限がかかっていてカスタマイズできない」といったことです。
企画住宅を検討する場合は、ハウスメーカーごとに性能差がかなりあること、そして思っている以上に制限がきついこと、この2つは必ず覚えておいてください。
12. 35年返済の住宅ローンは古くなりつつある!積極的に40年ローンなどを使え

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住宅ローンといえば35年で返済するものというイメージがあるかと思いますが、正直なところ、もうそれは古い考え方です。
皆さんもご存知の通り、日本人の給料水準は30年以上ほぼ横ばいです。
それにも関わらず、物価は上がり、消費税は増税され、家計は圧迫されるばかりです。
そんな状況で今まで通り35年の住宅ローンを組むのは、なかなかにハードだと私は思います。
そのため、個人的には40年ローンなど、借入期間を伸ばして住宅ローンを組むことをお勧めしています。
「そんなに長い期間ローンなんか組みたくない」といった声も聞こえてきそうですが、いいですか皆さん、住宅ローンは持ち続けることによってメリットを得られる非常に特殊な金融商品なんです。
むしろ、繰り上げ返済をして借入期間を短縮してしまったら損なんです。
これは、住宅ローンを組むと強制加入させられる「団体信用生命保険」の存在があるからです。
この保険は、住宅ローンを組んでいる人が亡くなった場合、残債がゼロ円になるというもので、終身保険のような役割を持っています。
つまり、毎月返済する住宅ローンの中に保険料が入っていると考えれば、わざわざ別の終身保険に入る必要がない、その分の保険料を投資に回して積み立てをした方が良い、といった考え方もできるわけです。
もちろん、金利の影響を気にする声もありますが、住宅ローンは最初の10年間で利息の約48%を支払う構造になっています。
そのため、最初から利息の高い固定金利で組んでしまうと、最初の10年間は返しても元本が減らない、しかも利息が高い、という状況になりかねません。
35年の住宅ローンが組める人はそれで良いと思いますが、もし少しでも厳しいと感じるなら、柔軟に40年ローンなど返済期間を伸ばすことを検討してみてください。
住宅ローンを長く持ち続けることは、皆さんが思っている以上にリスクは少ないんです。
まとめ
今回は、2025年に家づくりをする人が気をつけるべきこと12選というテーマでお話ししてきました。
現在の住宅業界の課題点や、それに伴って何に気をつければ良いのか、ご理解いただけたでしょうか?
家づくりは勉強すればするほど、皆さんの価値観が変わり、成功に近づきやすくなります。
今回ご紹介した12の注意点をぜひ頭に入れて、後悔のない理想の家づくりを実現してください。