履歴書・職務経歴書で差がつく!採用担当者が注目するポイント5選

転職活動において最初の関門となるのが「書類選考」です。
どれだけ実績があっても、履歴書や職務経歴書の内容が整理されていなければ、その魅力は伝わりません。
採用担当者は多くの応募書類を限られた時間で確認しており、「読む気になるか」「信頼できる人物か」という第一印象が大きな影響を与えます。

書類は単なる経歴のまとめではなく、「この人に会ってみたい」と思わせるプレゼン資料です。
本記事では、キャリア支援の現場で見えてきた“採用担当者が注目する5つのポイント”を解説します。
小さな工夫の積み重ねが、書類選考通過率を大きく左右します。

第一印象で差がつく ― 書類全体の「見やすさ」と「構成力」

書類選考で最初に見られるのは「内容」よりも「印象」です。
応募者が丁寧に作成しているか、情報が整理されているかによって、採用担当者の受ける印象は大きく異なります。

■ レイアウトと余白の整え方

履歴書・職務経歴書は、情報量が多くなりがちです。
しかし、文字を詰め込みすぎると読みにくくなり、逆に内容が伝わらなくなります。
適度な余白を確保し、段落ごとに見出しを付けるなど、「視線の流れ」を意識すると読みやすい印象を与えます。

■ フォントと統一感

フォントの種類やサイズがバラバラだと、全体が雑な印象になりかねません。
一般的には「明朝体」や「ゴシック体」を使用し、文字サイズは10.5~12ポイント程度が見やすいとされています。
また、箇条書きを使って要点を整理すると、読み手の理解がスムーズになります。

■ 構成力=仕事の進め方

見やすい書類は、仕事の進め方や思考の整理力を反映します。
採用担当者は「この人は資料作成も丁寧そうだ」「報告書もわかりやすく書けそうだ」と無意識に判断します。
第一印象を左右するのは、“整っていること”そのものです。

履歴書で伝わる“人柄”と“安定感” ― 基本情報・志望動機の書き方

履歴書は、応募者の「誠実さ」や「社会人としての基本姿勢」が表れる書類です。
採用担当者は、経歴の正確さだけでなく、書き方から伝わる人柄を見ています。

■ 基本情報は正確に・丁寧に

住所・連絡先・日付などの誤りは意外と多く見られます。
特に日付の書き忘れや写真の貼り方の乱れは、「細部への注意力が欠けている」と受け取られる可能性があります。
写真は明るく清潔感のあるものを選び、全体の印象を整えましょう。

■ 志望動機は「なぜその会社なのか」を明確に

採用担当者が最も注目するのは志望動機です。
「御社の理念に共感しました」だけでは、説得力が足りません。
「これまで培った〇〇の経験を活かし、御社の□□事業に貢献したい」といった形で、“自分と企業の接点”を具体的に伝えることが重要です。

■ 使い回しの志望動機は見抜かれる

複数の企業に応募する際、同じ文章を使い回す人もいますが、採用担当者はその違和感にすぐ気づきます。
企業ごとに強みや方向性は異なるため、志望動機は必ず「その会社ならではの理由」に書き換えることが大切です。

履歴書は、正確さと誠実さの積み重ねによって“安定した印象”を生み出します。

職務経歴書で評価される“成果の伝え方” ― 数字とエピソードで差をつける

職務経歴書は「これまで何をしてきたか」を伝えるだけでなく、「どんな成果を出せる人か」を示す書類です。
採用担当者は、経験そのものよりも“再現性”に注目しています。

■ 「何をしたか」ではなく「どう成果を出したか」

単に業務内容を羅列するだけでは、実績としての印象は弱くなります。
たとえば「営業担当として法人顧客を担当」ではなく、「年間〇件の新規開拓を行い、売上を前年比〇%向上させた」と具体的に記載すると説得力が増します。

■ 数字と具体例で実績を明確に

数値化できる成果(売上・件数・改善率など)は積極的に取り入れましょう。
また、プロジェクトの背景や課題、解決までのプロセスを簡潔に示すと、業務理解力や課題解決力が伝わります。
採用担当者は「結果を出すまでの思考プロセス」を知りたいと考えています。

■ チームでの役割も忘れずに

「自分一人の成果」だけでなく、チームの中でどんな役割を担ったかを記載することで、協調性やリーダーシップも評価されます。
たとえば「3名のチームをまとめ、納期内に全案件を完了」といった表現が有効です。

成果を“数字+エピソード”で表現することで、採用担当者に「この人なら結果を出せそうだ」という印象を与えることができます。

採用担当者が最後に見る“人間力” ― 一緒に働きたいと思わせる書き方

最終的に採用の判断を左右するのは、「この人と一緒に働きたいかどうか」です。
どんなにスキルや経験が豊富でも、人間的な信頼感がなければ選ばれにくくなります。

■ 協調性や誠実さを感じさせる表現

「自分の成果」をアピールするだけでなく、「チームでの達成」「周囲との連携」「後輩育成」など、協調性を感じさせるエピソードを入れると印象が良くなります。
採用担当者は、スキルよりも“人柄”に惹かれて面接を設定することもあります。

■ ネガティブな転職理由は前向きに変換

「上司と合わなかった」「評価されなかった」などの理由は、書類上ではマイナス印象を与えます。
「より裁量のある環境で挑戦したい」「自分の経験を別の分野で活かしたい」といった形で、前向きな理由に変換することが大切です。

■ 誤字脱字・ミスを防ぐことも誠実さの証

最終チェックを怠ると、小さな誤字でも印象を損ねることがあります。
採用担当者は「細かい部分まで丁寧に確認しているか」を見ています。
完成後に一晩おいてから再確認する、他人にチェックしてもらうなど、ミスを防ぐ工夫をしましょう。

書類の“完成度”は、応募者の仕事に対する姿勢を映す鏡です。

まとめ

履歴書・職務経歴書は、単なる経歴の整理ではなく、「自分という人材をどう伝えるか」を問われるプレゼン資料です。
採用担当者が注目しているのは、経験の多さではなく、「伝え方」「誠実さ」「成長意欲」です。

  • 見やすく整理されたレイアウト

  • 企業に合わせた志望動機

  • 数字と具体例で裏付けられた成果

  • 協調性や人間性を感じさせる表現

  • 最後まで丁寧に仕上げる姿勢

これらを意識することで、採用担当者の印象は大きく変わります。
書類で「この人に会ってみたい」と思わせることができれば、転職成功の第一歩はすでに踏み出せています。
細部にこだわり、誠実に自分を表現することで、チャンスを確実に引き寄せることができるでしょう。